森口尚史氏、東京大学が懲戒解雇! 虚言癖はiPS細胞だけではない!? [ニュース]
東京大学は、iPS細胞(人工多能性幹細胞)のヒトへの移植を巡り臨床応用の大半を虚偽と認めた同大病院特任研究員の森口尚史氏(48)を虚偽の発表をしたとして、19日付けで懲戒解雇の処分としました。
<写真は自信満々に答える森口尚史氏>
東京大学によりますと、森口尚史氏はiPS細胞から変化させた心筋細胞を、重症の心不全患者に世界で初めて6人に移植したと発表しましたが、大学側が調査を行った結果、少なくとも5人については虚偽だったとしています。
東京大学は森口尚史氏の行為は「大学の名誉や信用を著しく傷つけた」として19日付けで懲戒解雇の処分とし、残り1件についての調査は、今後も続けるとしました。
東京大学の磯田文雄理事は「あるまじき行為であり、厳正な措置をした。森口尚史氏が関わった学術研究の調査は継続し、できるかぎり速やかに事実を明らかにしたい」とコメントしています。
森口氏は過去の論文で、東大の「iPS細胞バンク研究室」と、実在しない研究室の所属を名乗っていました。東大によると、森口尚史氏は「研究機関の今後の調査に協力する」と話している模様です。
★虚偽発表の経緯
英科学誌ネイチャーが10月13日までに、森口尚史氏(48)が主張する、iPS細胞(人工多能性幹細胞)を使った治療を疑問視する、異例の記事を電子版に掲載。
iPS細胞に関する本で、ノーベル医学生理学賞に決まった山中伸弥・京都大教授(50)の論文と似た表現があると指摘しました。
森口尚史氏は同日、米ニューヨークのホテルで会見しましたが、終始、あいまいな答えでした。
「うますぎる話だと思った」としたのは同ネイチャー誌です。
疑問の根拠として、2種類の化学物質を使ってiPS細胞を作ったとする森口尚史氏の手法について、「成功例を聞いたことがない」とする日本の専門家の話を紹介し、治療が事実なら「ほとんどの専門家の予測より何年も早い」とも指摘しました。
さらにネイチャー誌は、iPS細胞に関連する本で森口尚史氏が執筆を担当した部分に、「山中教授の論文と同じ表現があることが分かった」、との記事を掲載しました。
森口尚史氏が幹細胞研究について書いた部分には、山中教授らが2007年に専門誌に発表した論文と同じ記述が含まれており、論文盗用の疑いまで浮上してしまいました。
ネイチャー誌に対して森口尚史氏は「われわれは皆、同じようなことをやっていて、似たような表現になるのはおかしなことではない」と説明しましたが、いろいろな論文を参考にしたことは認めた模様です。
★森口尚史氏のご近所の評判
私生活でも事実と異なる話を繰り返しており、居住する千葉県市川市のアパートの大家さんには「東大の教授になった」と話したり、近所の女性(54)には、自らを「東大の医師」と話、「ノーベル賞候補のリストに入ったので(スウェーデンの)ストックホルムに行ってきた」と話すなど、“虚言癖”を繰り返していた模様です。
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