年金空白 対策にトヨタが動き出した!! [年金問題]
年金支給の開始年齢が、段階的に、65才へ引き上げられることが決まってから久しいですが、多くの企業では定年退職年齢を60才としているので、60才から64才までの5年間が、「年金空白」期間となってしまいます!! この対策に、トヨタ自動車が動き出したと報道されました。
★年金支給年齢
年金支給年齢について、おさらいしてみましょう。
下の表は、厚生労働省の資料を元に作成されたものですが、段階を追って、支給年齢が65才に引き上げられていますね。
年金制度の詳しい説明は割愛しますが、受給資格を有する場合、公的年金がフルに支給されるのは、65才になってからになりますが、多くの企業では、定年が60才と規定され、希望者は65才まで働けるようになる(2013年度より法律が改正され、希望者全員を雇用しなければならなくなる)のですが、賃金の大幅減額は、避けられないかもしれません。
また、健康年齢(健康で普通の生活ができる年齢)を考えると、いつまでもサラリーマンを続けたくないと考える方も多いのではないでしょうか。
★トヨタの対策
そこで必要になるのが、60才から64才までの空白期間について、どのように生活費を稼ぐのかという対策です。
トヨタが、その答えのひとつを提案しましたが、その内容は読売新聞によると、
「在職中に一定額を毎月積み立てて定年退職後に支給する制度。60~64歳の5年間、既存の企業年金に、新設する制度から7万円程度を加えることで、公的年金並みの月額約21万円を受け取れるようにする。18歳で入社した場合、毎月約8300円ずつ、42年間で計約420万円を積み立てる設定だが、具体的な金額は今後詰める。全社員を対象とするが、実際の利用は希望制とする予定だ。」
となっています。
この制度、「あと5年も、会社にいたくない」と考える方には、朗報かもしれませんね!
ただ、気をつけなければならないのは、昨今の晩婚化で、60〜64才でも、子供が学校に通っているなど、養育費が必要な場合は、その対策が必要なことです。
老後の生活費については、様々な機関が算出していますが、やや余裕を持たせるには、月額30万円くらいが必要と言われていますから、このトヨタの制度でも、月々9万円の補填が必要で、年間108万円、5年間で540万円を蓄えておく必要があります。
もちろん、子供の養育費以外にも、
・(持ち家の場合)自宅の修繕費
・自家用車の買替え費
・有料老人ホームのお世話になる場合は入居費や月額費用
などが必要な場合なので、これらを蓄えておかなければなりませんね。
個人的な試算ですが、トヨタの制度がない場合、子供の養育費がない前提でも、60〜64才で必要な資金は、2000万円は必要と思いますよ!!
・月々の生活費:30万円=5年で1800万円
・自家用車の買替え費用:100万円(中古車を前提)
・持ち家の修繕費:100万円
これ以外にも、生活をする上で、様々な費用が発生しますから、ざっくりですが、60才時点で3000万円ほど持っていないと、不安だと思いますね!!
★年金制度と生活費を学んでみよう!
年金問題に関する本を、いくつか挙げておきましょう。
年金制度と貯蓄について、幅広く学ぶには、こちらをどうぞ。
一番やさしい年金の本―国の年金制度と、賢いお金の貯め方の両方がわかる! 新品価格 |
「年金制度改革」に関する内容は、こちら。
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生活費などの算出には、こちらをどうぞ。
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生活費を確保する方法として、「年金の繰り上げ受給」を利用する方法もありますが、
・減額率=0.5%×繰上月数(5年間繰上げた場合30%) 生涯、減額されます。
・障害基礎年金の請求権がなくなります。
などの制約があるので、注意が必要ですね。
★苦言ですが・・・
個人的な見解ですが、昭和50年代までは、年金に頼って生活をするといった考えは、主流ではなかった感じがして、家族が、祖父母と孫たちが一緒に生活をしていたので、みんなで家計を支えていたと思うのですよね。
ここ10年くらいで、年金が着目され、年金で生活をすることが、当たり前のように言われていますが、年金とは「保険」ですから、何かあった時の補填として考えた方がいいのではないでしょうか?
なんか、ここ10年ほど、「国に頼る。国がなんとかすべきだ。」といった考え方が横行している感がありますが、国は個々人には、何もしないことが、歴史を見ても明らかなので、昨今の風潮には違和感を感じざるを得ません!!
この意味でも、トヨタの施策は正しい方向・考え方だと思いますよ!!
たいたい、国民年金なんて、月額2万円も納めていない訳で、40年納めても960万円にしかならないのに、65才以降の生涯を、この保険で生活費の全てを賄おうなんて、図々しいのではないでしょうか!?
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